2007年11月15日
愛知県立海翔高等学校福祉課  講義の様子



質問1
さて、皆さん、私がなぜ立ち直れたのでしょう?

人間とは不思議なもので、失いつくしてどん底まで落ちてしまうと、それ以上落ちることがないので、開き直って強くなれるものなのです。

と、答えるでしょう? でも、本当に人間はひとりで立ち直れるほど強いのか?

私は、もちろん妻に支えられてたのが一番でしたが、私が失意のどん底にあったとき、
私を救ってくれたのは、毎朝、笑顔で私の病室に来てくれて普通の人間と変わらぬ態度で接してくれた看護師さんだったのです。

私はもう人間ではないと思っていましたし、もう人生が終わってしまったと思っていましたから、哀れみの目で見られ接していられたら、私は立ち直れなかったでしょう。
普通に会話して普通に冗談を言って笑う!
このことがどれだけ私を勇気づけてくれたことか!

人という字は支えられて成り立つのです。
私のように!



質問2
介護福祉士に最も必要な要素は?

1.技術  2.知識  3.心  4.努力の習慣化

どれも大切な要素です。
しかし、病気という字を白板に書いてみてください。
意味がわかりますか?
病気とは?
気が病むことを言うのですよ!

私を病気と思う人?
私の身体は不自由です。でもそれは個性のひとつに過ぎません。私の気は病んでいません。だから、病気ではありません。

では、病気を治せるのは何でしょうか?

1.技術  2.知識  3.心  4.努力の習慣化

そう、みなさん大声で、3,2,1 「心」

そう!心やで!

では、笑顔を絶やさぬ心ある介護福祉士になれる人?

これが答えです。
病は医師だけが治すのではありません。
人を救える仕事ほど素晴らしい仕事はないのですから!



ドキュメント'06「前を向いて そして…ある難病患者と家族」
を視聴した感想をいただきました。


藤本さんが障害者となり、最初は家族も笑顔が消えて辛い思いをたくさんしてきたんだなぁと思いました。障害を受け入れるのには長い時間がかかり、心も不安定になると思いますが、それを乗り越えられた藤本さんはすごいと思います。私は将来、介護福祉士になりたいと思い、この福祉科で勉強しています。こんな辛い思いをしている利用者さんや家族の力になりたい、少しでも助けてあげられるようになりたいと思いました。障害者になっても何もかも失ってしまうわけじゃないと思います。残された機能を大切にして生きていて欲しいと思います。もし、私の旦那さんが障害を持つことになっても、絶対二人で生き抜きたいと思います。


私はビデオを見るまでは、障害者は自分の障害を嫌っていると思っていました。でも、藤本さんは、障害を受け入れ、前向きに生きていて、こんなすごい人もいるんだと思いました。私ももし、障害者になったらそんな風に生きてみたいと思いました。毎日を頑張って生きている人がいると知ると、私の悩みがちっぽけなものに思えてきます。ぜひ、この方のお話を直接聞いてみたいです。


今まで普通にできたことが急にできなくなるのはすごく怖くて辛いことだと思います。思い通りに体が動くのがあたりまえだと思っていたのが、突然動かなくなり、言葉もしゃべれなくなったら絶望すると思います。でも、呼吸器をつけ、文字盤を使って会話をしている藤本さんの姿を見て、本当にすごいことだと思いました。いろんなことに挑戦し、家族との時間を大切にしているのを見ると、体が自由に動き、会話もできる私は何もやっていないと思いました。難病で呼吸器をつけ、体の自由もきかないのに講演活動をしている藤本さんはすごいなぁと思いました。藤本さんが今でも元気に過ごすことができるのは、家族の方の力もあると思います。文字盤で会話をするのは大変だと思いますが、藤本さんのやりたい事を支えている家族もすごいと思いました。


10万人に一人という難病を抱えていて、こんなにも明るく毎日を暮らしているという藤本さんに驚きました。このビデオを見て、たとえ体が動かなくても、声が出なくても、こんなに生きようと努力し、楽しく活発に過ごされている。私も相手の立場をいろいろ考えて介護をしたいと思います。「人が体験できないことを体験できるなんてすばらしい」という言葉にとても感動しました。そんな風に前向きに考えられるなんて、とてもいいなと思いました。


今までは、障害のある方が障害者なのだと思っていました。でも、このビデオの中では、一番辛いはずの藤本さんが、ユーモアのあるお話をされていて、とても驚きました。きっと本当の障害者というのは、身体だけでなく、心まで参ってしまった人のことをいうのだなぁと思いました。障害者の方は、私たち健常者にはないものを持っていたり、私たちが気付かないことに気付いたりするんではないかと思いました。


今回のビデオを見て、私は障害とはいったい何だろうかと感じました。藤本さんはALSの難病にかかっていますが、その生活はとても生き生きとしていて楽しそうでした。とても自立したものだとも思いました。自分の意思で行動を決めることさえできれば、自立した生活になるのだと思いました。だからこそ、障害とは何だろうと改めて思います。自分の意思で行動を決め、、社会に参加し、生きがいのある人生を送っている人のどこに障害があるのだろうと疑問に感じました。もし障害があるとすれば、それは周囲の人々や環境の方だと思いました。障害者の方が自立した生活を送るには、周囲の人の協力なくしては考えられませんし、障害者の意思を尊重し、必要な環境を整えていくことが大切なんだと思いました。


障害がなかったときからすごく活発で、障害者となってからも身体が動かなくても、やはり活発で、精神的にすごく強い方なんだと思いました。私が今までに見たことのある障害者の方たちは、どの方もすごく精神的に強くて、私も見習いたいと思いました。障害を受け入れ、しっかり生きていくと決められていたので、芯の通った方だとも思いました。障害というと悪いものだと考えがちですが、「障害者だからこそ分かることがある。」という藤本さんのような考えを私も持てるようになりたいと思いました。家族の「どんなことがあっても生きて欲しい」と思う心もすごく良く分かりました。



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